金工鐔・大森英秀(おおもりてるひで)
牡丹獅子図鐔(特別保存刀装具)
大森英秀は江戸中期(1730~1798)に活躍した金工で、通称を喜惣次、名を英秀。
横谷宗珉の門人・大森英昌の養子となり、その後家督を相続しました。
大森波と呼ばれる波涛図や金梨子地象嵌などの彫法を考案した人物です。
英秀の長男は大森派3代大森秀永です。
この鐔の図柄の牡丹獅子図、その図柄の由来をご存知ですか?
百獣の王とされる獅子、無敵とされる獅子ですが実はたった一つ弱みがあります。
それが獅子に寄生する虫、「獅子身中の虫」。
この虫は獅子の体毛に住みやがて皮を破り肉を喰らい獅子を死に至らしめることもあるといわれています。
この虫を活動させない薬となるものが牡丹の花につく夜露なのです。
それゆえ獅子は牡丹の花から離れられないといいます。
「獅子に牡丹」といえば取り合わせのよいものと言う譬えとして使われますが、
実は見た目の豪華さだけではなく獅子にとって欠くべからざるものが牡丹なのです。
形状 | 竪丸形 |
---|---|
色仕上 | 赤銅地 |
彫 | 肉彫地透 |
象嵌など | 金象嵌 |
様式 | 色絵 |
耳 | 角耳小肉 |
孔 | 両櫃孔 |
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