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栄螺形変わり兜(さざえなりかわりかぶと)
ハリウッド監督・ジョージルーカスをも魅了した戦国武将の変わり兜
不朽の名作『 スターウォーズ 』作中に出てくるダースベイダー。
(「AFI アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」:2003年において、悪役部門で第3位に選出されているほど圧倒的な存在感を誇るキャラクター。)
このダースベイダーが身に着けているヘルメット及びマスクが仙台市博物館所蔵の「黒漆五枚胴具足 伊達政宗所用」の兜を参考に制作されていることをご存知ですか?もしそうならこの記事を読んでくださっているあなたはスターウォーズファンまたは兜愛好家なのかもしれません。
ハリウッドの映画監督をも魅了した戦国時代の変わり兜。一度目にするとそのユニークでバラエティーに富むデザインにきっとあなたもアッと驚くことでしょう。
今回ご紹介するこの栄螺形変わり兜もそんな変わり兜の一つです。
戦国変わり兜の登場
それでは戦国時代に変わり兜が登場するに至る経緯をざっと見てみましょう。
平安時代から室町時代にかけての兜は星状の鋲を打って鉄板を兜状に形成する星兜と、その矧ぎ合せる部分を筋状に仕立てた筋兜、この2種類に大別されます。
成り立ちの頃の星兜はその星状の鋲が大きく厳星兜(いがぼしかぶと)と呼ばれていました。時代が下がるにつれ星が小さくなった小星兜(こぼしかぶと)へと変化します。
戦国期に入ると機能的かつ制作しやすく、コストも低い頭形(ずなり)と呼ばれる兜が大量生産されることになります。この新しい様式の兜は従来の星兜や筋兜に比べて矧ぎ合わせる枚数が圧倒的に少ないため、多くの兜を短時間で供給する必要があった乱世の時代の要請にあったものでした。また鉢の簡略化は結果としてより装飾性の高い兜、ユニークな変わり兜の誕生に一役かったといえるでしょう。
栄螺形変わり兜
今回ご紹介した栄螺形変わり兜はサザエ固有の突起や渦巻きをリアルに再現しながら、表面の風合いは鉄独特の鍛え肌を残したものです。
こちらの栄螺形変わり兜(サザエナリカワリカブト)以外にも変わり兜のデザインには海の生き物が多く使われています。
例えば、板屋貝形兜(イタヤガイナリカブト)と呼ばれる兜は、帆立貝に似た美しい形の貝を兜の大胆に正面に前立てとして付けた変わり兜、
伊勢海老を写実的に模した前立てを付けた伊勢海老変わり兜、足を四方八方に広げたタコを頭上に乗せた変わり兜などは見た瞬間に思わず笑いそうになる変わり兜です。
実用品でありながらデザイン性も抜群に高い戦国期の変わり兜、東京神田のサムライギャラリー真玄堂では変わり兜をご覧いただけます。ご興味のあるかたぜひご来店ください。
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