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2019大刀剣市 信家:阿弥陀鑢菊花鐔 重要刀装具
信家鐔によく見る意匠の一つで阿弥陀鑢文を主題とした鉄鐔である。ややあおりの心がある竪丸形で、同作中でやや薄手の作りこみであり、鉄の鍛えの見事さは常の通りである。特に、打ち返して小縁に少しく肉を持たせた耳の造りは信家ならではのデリカシーがあり亀甲文を毛彫りで現している。両櫃孔は後に赤銅で埋められ、三巴に花菱文が打込まれている。
銘はいわゆる放れ銘であり、この手の銘の時によくみられる菊花の打ち込みが随所に見られる。清澄な風韻に満ちた作品で、保存状態も健全である。
(重要図譜より)
鐔工信家
信家は金家と並び称される鉄鐔の王者として愛好者に大変人気の鐔工です。しかし信家が鉄鐔の名工として賞賛されているにもかかわらず、その来歴ははっきりしない点が多く信家に関する資料はほとんど残されていません。
信家は室町末期から桃山期にかけての作者で400年以上前の時代になります。そのように古い時代の資料は後藤家以外全く残されていません。
その当時刀には銘を入れる習慣がありましたが、鐔やそのほかの刀装具には銘を入れるという習慣はありませんでした。この時代、多くの刀装具は今風に言うと殿様に召し抱えられた鐔工や金工たちが主君からのオーダーメイドで作られていることがほとんどだったからです。そんな背景の中、信家は鐔工として初めて自分の作品に銘を入れるという新しいことを始めたのです。
信家の前時代の名工、足利将軍の御用を務めていた後藤家でも初代、二代目、三代目の作品には銘がありません。正確に言うと、三代目乗真には一点だけ、笄に「後藤(花押)」という銘が現存します。そして信家と同時代に活躍した4代目の光乗( 享禄2~元和6年ごろ活躍 )金象嵌銘が3点、加納夏雄下絵帳に切付銘が1点確認されています。そんな時代背景の中、信家は銘を入れ始めましたのですからやはり目覚ましい業績といえるでしょう。
その銘にはいくつかの種類があり、信家鐔研究の第一人者である秋山久先生の『 信家鐔集 』によると信家の銘は7通りでしたが、現在は
- 細字銘
- 太字銘
- 三信家銘
と大きく3通りに分けられています。(「 刀装、刀装具初学教室 」 福士繁雄氏)
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