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鏨の華 ―光村コレクションの刀装具
佐野美術館(静岡県三島市)では4月7日から鏨の華~光村コレクションの刀装具展が始まります。
明治時代の実業家・光村利藻が蒐集した刀装具を中心とした3,000点以上のコレクションの中から根津美術館所蔵品を中心に1,200点余りの作品が展示されます。
刀装具とは日本刀の拵(外装)に付けられた鐔、小柄、笄、目貫、縁頭等の金具のことです。鐔はもともとは日本刀の刀身と柄の部分に挟んで柄を握る手を保護する実用品でしたが、江戸時代に入り平和が続くようになると実用品としてというより装飾品として発展していきました。またこの時代金工の制作技術の向上により、リアルで豊かな表情を持つ鐔が制作されました。
江戸時代以降の刀装具のもう一つの特徴として色上げがあげられます。色上げとは金属工芸品の仕上に使われる着色技法の一種で金属を科学的に変化させ、金属だけで多彩な色を表現したものです。色上げによる豊かな色彩表現に緻密な彫金が加わることで、リアルな表現がなされるようになった刀装具は国内のみならず海外からも高く評価されるようになりました。時に「掌上の小宇宙」ともいわれこともあるようです。
主な展示作品
- 鬼念仏・笛吹地蔵図目貫 大月光弘作 江戸時代(19世紀) 根津美術館蔵
- 群盲評象図鐔 府川一則作 明治37年(1904) 根津美術館蔵 ほか
※会期中一部展示替えがあります。[:]