「刀は、ただの武器ではありません。」
そう語るのは、55年以上にわたり刀剣と向き合い続けてきた眞玄堂店主・髙橋歳夫氏。
現在では、鑑定書や価格だけで刀を判断する時代になりました。しかし、本当に価値ある刀を見極めるためには、数字だけでは測れない“経験”と“責任”が必要だと髙橋氏は語ります。
今回は、長年刀剣市場に身を置いてきた髙橋氏に、「信頼できる刀剣商とは何か」「本物を見極めるとはどういうことか」について伺いました。
「本物を見誤ることは、大きな罪」
髙橋氏は、中学3年生から刀剣の世界へ入り、55年以上にわたり市場へ通い続けています。
九州、岡山、大阪、京都——。
毎月全国の市場を巡り、錆びた刀の姿やわずかに見える地鉄から、その刀の本質を見抜いてきました。
しかし、刀の世界には「絶対」はありません。
「研いでみたら違った、ということもあります。」
そう率直に語る一方で、師匠から教えられたある言葉を、今も大切にしているといいます。
「間違った鑑定書を付けること以上に、本物を見誤って銘を消させてしまうことは大きな罪だ」
刀は、一度失われれば二度と元には戻りません。
だからこそ、髙橋氏は“慎重に見極めること”を何よりも大切にしています。
鑑定書だけでは分からない「本当の価値」
現在の刀剣市場では、鑑定書が重要視される場面も少なくありません。
しかし、髙橋氏は「鑑定書だけでは、本当の価値は分からない」と語ります。
刀には、時代背景や地鉄、姿、出来栄えなど、数字では表せない要素が数多く存在します。
さらに、実際に多くの刀を見てきた経験がなければ、その違いを見抜くことは難しいといいます。
「比較して初めて分かるんです。」
同じ刀工でも、出来の良いものとそうでないものは並べれば分かる。
その“見る目”を養うためには、実際に刀を見続けることが必要なのです。
「買い戻し」ができる店は信頼できる
では、信頼できる刀剣商とは何なのでしょうか。
髙橋氏は、ひとつの基準として「買い戻しができること」を挙げます。
それは、自分が扱った刀に責任を持っている証でもあるからです。
刀は、美術品であると同時に、持ち主の想いや歴史を受け継ぐ存在でもあります。
だからこそ、“売る”のではなく、“託す”という感覚が近いのかもしれません。
本物を見ることは、人を見ることにも繋がる
「良い人を見極めることも大事です。」
髙橋氏は、最後にそう語りました。
刀を見る目を養うことは、人を見る目にも繋がる。
長年、本物と向き合い続けてきたからこそ辿り着いた言葉なのかもしれません。
刀剣についてお困りの方へ
眞玄堂では、刀剣の無料査定・ご相談を承っています。
相続や整理などで見つかった刀剣についても、
真贋・価値・今後の扱いまで丁寧にご案内いたします。
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眞玄堂 店主/刀剣鑑定士 鑑定歴50余年
髙橋歳夫
数々の名刀・刀装具と向き合い続けてきた、経験豊富な刀剣鑑定士。古美術の世界に身を置いて以来、真贋を見極める厳しい眼と、文化財としての刀の価値を丁寧に伝える姿勢を貫いている。日本刀を「売買の対象」ではなく、「時代を超えて継がれる美と精神」として扱う姿勢は、業界内外からも厚い信頼を集めている。


