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平安の雅を映す名刀 ─ 三条宗近の太刀を読む

平安の雅を映す名刀 ─ 三条宗近の太刀を読む

日本刀の歴史において、最古期を代表する刀工の一人として知られる「三条宗近」。
その名は、天下人・豊臣秀吉をはじめ、多くの武将や愛刀家たちを魅了してきました。
今回ご紹介するのは、優雅な腰反りと、青黒く澄んだ地鉄が印象的な一振り。
押形とともに、三条宗近の魅力を探ります。

【太刀 三条(宗近)】

解説:紙谷治宏

刃 長:76.2cm(二尺五寸一分四厘)
反 り:2.10㎝(六分九厘)
元 巾:2.76㎝(2.68㎝)
先 巾:1.49㎝(1.42㎝)
元 重:0.62㎝(0.50㎝)
先 重:0.31㎝(0.27㎝)
切先長:1.88㎝
茎 長:18.0㎝(18.1㎝)
茎反り:0.1㎝
茎 巾:2.51㎝
茎先巾:1.05㎝
茎元重:0.70㎝(0.58㎝)
茎先重:0.21㎝(0.13㎝)

鎬造。庵棟、鎬はやや高めで薄く、平肉と刃肉のふっくらとついた造込みとなり、細身で小切先、腰反り高く、強く踏張りがつき、先で打伏せる。

地鉄は小板目に小杢目が交じってよく約み(つみ)、処々やや肌立ち微塵の地沸が厚くつき、細かな地景が沈む。

鉄色は青黒く透き通り、潤いのある見事な鉄で古い風情がある。

【三条宗近】

三条宗近は山城国京三条を拠点にしたことから、三条宗近と呼ばれている。
活躍期間は一条天皇治世の永延年間(987~989年)頃、もしくは十二世紀前半の保延年間(1135~1141年)までとする見方もある。

【太刀 三条の詳細】─ 豊臣秀吉所蔵と伝わる名刀

刃長:76.2㎝(二尺五寸一分四厘)
反り:2.10㎝(六分九厘)

石田三成の依頼によりまとめられたと伝わる『石田本』掲載の押形資料
豊臣秀吉所蔵と伝えられる「三条」に関する古資料

鎬造、庵棟尋常、鎬巾は尋常で鎬は心持ち高め重ねは薄く、平肉と刃肉のふっくらとついた造込みとなり、総体に細身で元巾と先巾の差は開き、切先は小切先でふくらは尋常。

反りは腰反り高く強く踏張りがつき、先で打伏せかげんになった、気品高い長寸の太刀姿となる。

地鉄は小板目に小杢目が交じってよく約み、処々やや肌立ち微塵の地沸が厚くつき、細かな地景が沈む。鉄色は青黒く透き通り潤いのある見事な鉄で古い風情がある。鎬よりに淡く映りがある。

刃文は小沸出来の小乱刃で小互の目・小丁子が交じり、手元は焼落ち気味。打のけが目立ち特に佩裏の打のけが処々繋がり長く二重刃状になって本刃より鮮やかに表われる。匂口はうるみかげんに明るい。

帽子:本刃は細く二重刃がかり、佩表は焼詰め風で裏はやや掃けて返るか?
彫刻:表裏に棒樋と添樋を搔流し、裏の手元は腰樋を掻く。
   茎は生ぶ。鎬の低い古い茎仕立てで、反りを後世に伏せ、先を細めて栗尻。

刃角
棟:棟区際は角小肉 
錆際より下は小丸で角を取る。棟・刃の鑢目は不明。
鑢目鎬地不明。平地は筋違いか?目釘穴は一つ。
銘は佩表に「三条」と彫銘のように切る。
姿・地鉄・刃文・茎・銘、いずれをとっても古色蒼然として雅びな逸品。

光徳押形の石田三成の依頼で書かれた石田本

三条は平安時代後期に活躍した刀工であり、後鳥羽天皇の御番鍛冶もつとめたとされる名工です。

また、本刀は豊臣秀吉の所蔵刀であったと伝えられています。さらに、刀剣押形集として知られる『光徳押形』には、石田三成の依頼によってまとめられたとされる『石田本』の中に、本刀の押形が収録されています。こうした伝来資料の存在は、本刀が古くから高い評価を受け、歴史上の人物たちに大切に受け継がれてきたことを物語っています。

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