日本刀に興味はあるけれど、「どこで買えるの?」「そもそも持っていいの?」と不安な方も多いのではないでしょうか。
本記事では、初めて刀剣を手に入れたい方に向けて選び方から日々のお手入れまで、収集の第一歩をガイドします。
日本刀を持つには?知っておきたい法律と登録制度
日本刀を所持するには、まず法律上のルールを知っておくことが大切です。日本では「銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)」という法律によって、刀剣類の所持が原則禁止されています。
ただし、美術品として認定された刀に限り、「銃砲刀剣類登録証」が発行されているものに限って所持が認められています。この登録証が付いていない刀は、模造刀や場合によっては盗難品の可能性もあるため注意が必要です。
購入後は、その登録証に記載された教育委員会へ「所有者変更届出書」を20日以内に提出する必要があります。
相続で刀を受け取った場合など、登録証が見当たらない場合でも、警察に「刀剣類発見届」を提出すれば「登録審査会」による審査を経て、再交付してもらえます。
まずは目的を決めよう!自分に合った刀の選び方
刀剣を選ぶとき、まずは「どんな目的で持ちたいのか」をはっきりさせることが大切です。
たとえば、武道の稽古用であれば、居合や剣道に適した構造の刀を選ぶ必要があります。美術品や歴史的な価値に惹かれる方なら、刀匠や時代背景がはっきりしている刀に目を向けてみましょう。
また、飾ることが目的の方には、装飾性の高い拵えや美しい意匠の刀がおすすめです。目的が明確になると、選ぶべき刀の方向性も見えてきます。
最初の一本はどう選ぶ?初心者におすすめの条件とは
初めて刀を選ぶときは、品質と構造にも目を向けてみましょう。素材は、真剣なら玉鋼や高炭素鋼、模造刀ならステンレスやアルミ合金が一般的です。また、フルタング構造であれば強度やバランスがよく、実用性があります。
模造刀と真剣の違いを見分けるポイントは、以下のとおりです。
- 焼き刃の有無
- 磁石の反応
- 重量感
価格帯は数万円の模造刀から、数十万円を超える真剣まで幅広く、自分の予算と目的に合った一本を選びましょう。
刀を買うならここに注意!信頼できるお店の見極め方
刀剣は専門的な商品になるため、購入するお店選びは非常に重要です。
信頼できる販売店かどうか判断するポイントは、以下のとおりです。
- 登録証や鑑定書がしっかり提示されるか
- 疵や状態についての説明が丁寧か
- 返品対応やアフターサービスが明示されているか
オンラインで購入する場合は、写真の質や掲載情報の正確さも確認しなければなりません。特に、有名な刀工の銘があるのに極端に安い刀には、注意が必要です。贋作の可能性もあるため、価格だけで決めないようにしましょう。
日本刀のお手入れと保管方法
日本刀はとても繊細な工芸品です。湿気や直射日光は錆や変色の原因になるため、保管環境には十分注意しましょう。基本は「白鞘」に納めて、風通しの良い暗所に保管します。押入れや防虫剤の使用は避けてください。
飾る場合は「拵」のみを刀掛けにかけるのが一般的です。柄は左、切先は右を向けて置くのが作法です。太刀は刃を下に、打刀は刃を上に向けるなど、飾り方にも意味があります。
手入れに必要な道具は、以下のとおりです。
- 目釘抜き
- 丁子油
- 打粉
- 拭紙
- ネル布
3ヶ月に1回程度、古い油を拭き取って新しい油を薄く塗ることで、美しさと保存状態を保てます。
まとめ
刀剣を収集することは、単なる趣味を超えた文化との対話でもあります。一振りの刀をとおして、日本の歴史や美意識、職人の精神に触れられます。
正しい知識と手続きを踏まえ、自分のペースで刀との時間を楽しんでください。その一本が、日常に誇りと豊かさをもたらしてくれることでしょう。

